カラマ到着、早朝5:50。真っ暗な国道に下ろされた。聞こえるのは・・・野犬集団の遠吠え・・・インドは野犬が多かったが、チリのほうが多い。街によっては、ぱっと見、10匹以上おることがあるのだ。これはチリに来る前には予想もしなかった。
夜、イキケのバスターミナル横のホットドッグスタンドでアボガドホットドッグを食った。
ホットドッグを作る時に、具やソース類を入れるか聞かれる。「チリソースは?」「Sir(スペイン語でシー。Yes)」「チリソースは辛いよ〜」「チリソース好きです」「これはアボガドだよ」なんか面白い冗談を言いながら作っているようで、まわりの女の子達が笑っている。
横の椅子に座って食っていると、おっちゃんは何か話してくるが、スペイン語、全くわからん。身振り手振りで、なんとか分かった。日本のどこから来たのか、と。次は、「ホットドッグうまいか?」今日2個目やがやっぱうまかった。
バスの座席は2階最前列で見晴らしがいい、と喜んだが、真夜中でなんも見えんかった。大手バス会社で、ブランケットと枕が配られた。途中で隣にオッサンが乗車してきたのだが…
このオッサン、いびきが、異常にうるさかった。明らかに、病院に検査に行く必要がある。ライブハウスで、スピーカーの前で弾くレベル。風邪薬が効いてきたのか、寝れたが起こされた。
もう到着したのか?乗客は誰もいないのだ。バスの乗務員が「荷物を持って、外に出ろ」
施設の前に長いカウンターがあり乗客はそこに荷物を置き、警察らしい人が検査を行う。念入りに調査されることは無かった。チリのバスで荷物検査があったのはこのときだけである。
オッサンのイビキは治らんかったが、寝れた。乗務員にスナックとジュースの入った朝食セットを配られて起きた。5時、外はまだ真っ暗である。
バスは停車した。ここが終点カラマなのか?全員降りるようで、カラマか聞くと、そうやと。
下車場所は、バスターミナルでは無く、国道であった。ここはどこやろう?まだ夜明け前で、周辺に何があるのか全くわからん。乗車客目当てのタクシー、迎えの人。乗客は次々にどっかに行く。バスも、行ってしまった。5時半。バスターミナルの待合室に行くか〜とりあえず眠気覚ましにタバコを吸い、方位磁石でバスターミナルがあるかもしれん方角に歩いていると、野良犬の吠える声が聞こえた。
野犬集団のケンカのような、さっきのオッサンのイビキよりクレイジーな・・・狂犬
「野犬は夜に活発化します」
なんかに書いてあったことを思い出す。
・・・ヤバい。狂犬病の予防接種を打てばよかった、と本気で後悔した。幸い国道は車が走っているが、他に人がおらん。もし狂犬病の野犬集団に出会ったら、100%狙われる・・・
この方角は本当にバスターミナルなのだろうか?人を探すことにした。
バスの下車場所にいけば、他のバスが来て、一瞬でも紛れ込めるし、バスターミナルの場所を聞ける。そう考え、戻った。横に巨大なショッピングセンターがある。柵で囲われているが、野犬が来たら、ここによじ登ればいい。
下車場所に戻ったのは正解で、車の掃除をするタクシーの運ちゃん、迎えか乗り換えのバスを待つおっちゃんがおった。
「Autobus Terminalはこの方角ですか?」「Sir」彼は時計を指差す。「開くのは7時ですよ」歩いた方角は合っていたが、まだ閉まっているので、待合室で寝る計画は無くなった。野犬問題を考えると、一人で暗闇を歩くより、夜明けをここで待つ方が良い。
寒かった。空がだんだん明るくなってきたので、バスターミナルに歩き始めた。街外れに下ろされたようで遠かった。
しかもシェパード系雑種の大型犬。歩いていると、ケツに何かの感触があった。振り向くと、でけー犬が尻尾を振って、ケツを舐めてくるのだ・・・なついている。ズボンはヨダレで濡れてしまった。このときだけでは無い。犬になめられることは数回あった。
犬はついてくるので、バスでもらった菓子を与えた、しかし、そいつは臭いを嗅いで”ケッ!”食わんかった。贅沢なヤツや!!
完全に明るくなり、交通量も増えた。脚を噛みそうな勢いでチャリに吠えかかる大型犬。道路に寝そべる犬の集団・・・あの場所で、運ちゃんとおっちゃんと夜明けを待って正しかった。
バスターミナルの窓口は閉まっていたが、ドアが開いていたので中で待てた。警備員らしい人に、スペイン語単語を紙に書き、見せる。「サンペドロアタカマ行きは何時ですか?」8時頃にあった。スペイン語会話集を指差し「ここでバスの切符は買えますか?」今では無く、あとから買えるのだった。椅子に座って待つ。暖房が効いている。
彼と入れ替わりの女性が来て、窓口に入った。切符くれ、というと、まだらしい。バスターミナルやが、窓口にWesten Unionという銀行名が書いてあるが、銀行も兼ねているのか?
女性一人、男性一人が出勤。3人は互いに抱擁、接吻をする。朝から今生の別れを見ているようだ。一人がドアを開放すると、早速子犬が2匹入って来て、足元にすり寄ってきた。
窓口の女性に、アタカマ行きバス切符1枚くれ、と書いたメモを見せるが、5分待て、という。5分後、窓口に行くと、ババアは平気で無視〜働くふりをした。
もう一人のオバハンのところに行きかけると、切符の発行という面倒な仕事をしたくないのか、そのババアも目が合うとすかさず顔を伏せ、いきなり忙しく計算を始めた。笑えるほど、わざとらしすぎた。
ババアにあきれながら、隣の若者を見ると、愛想良く笑顔である。キミだけや、労働意欲のある従業員は・・・